細胞培養加工におけるシステム管理のメリットはコンプライアンスにあり

長いプロジェクトが先日やっと完了し、久しぶりのブログ更新です。

再生医療の順守事項は「再生医療法」(平成25年11月27日法律第85号「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」)で定められています。例えば、がんの免疫療法では、患者の血液から免疫細胞を加工・培養し、それを患者に投与するわけですが、再生医療法では、細胞を加工・培養したものを「特定細胞加工物」と言います。

特定細胞加工物の製造については、医療機関もCPC事業者も同様に再生医療法の規制を受けます。本稿では製造(ここでは製造管理・品質管理を含むものします) についての規制がどのようなもので、それがCP1によりどうクリアされるかについて、述べたいと思います。

製造関連の規定は再生医療法第44条、第45条に規定されており、詳細は厚生労働省令(再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(厚生労働省令第110号))で定められています。

(特定細胞加工物製造事業者の遵守事項)
第四十四条  厚生労働大臣は、厚生労働省令で、細胞培養加工施設における特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法、試験検査の実施方法、保管の方法並びに輸送の方法その他特定細胞加工物製造事業者がその業務に関し遵守すべき事項を定めることができる。

(特定細胞加工物の製造に関する記録及び保存)
第四十五条  特定細胞加工物製造事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、製造をした特定細胞加工物の種類、当該製造の経過その他の厚生労働省令で定める事項に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

第四十四条で製造作業に関する遵守事項が定められ、第四十五条で記録に関する遵守事項が定められていますが、省令レベルで定められた遵守事項について、CP1は以下のように実現いたします。

法条文 省令条文 条文内容 CP1による実現
第44条 第99条1項一 製造工程における指示事項、注意事項その他必要な事項を記載した製造指図書を作成し、これを保管
すること。
CP1では製造物の種類毎に製造指図をマスタ登録でき、製造物を選択すると、製造指図書が自動作成されます。
第99条1項二 製造指図書に基づき特定細胞加工物を製造すること。 CP1には製造指図書どおりに作業を実施するための以下の機能があります。
・検体・資材・保管庫のバーコードラベルを読み取り確認により間違いを防止
・前の作業の完了を記録しないと、次の工程の記録を開始できないため、作業順序を強制できる
第99条1項三 特定細胞加工物の製造に関する記録をロットごと(ロットを構成しない特定細胞加工物については製
造番号ごと。以下同じ。)に作成し、これを保管すること。
CP1に作業結果を入力することで、個別製造番号毎に、製造指図記録書が自動作成されます。
第99条1項四 特定細胞加工物の資材についてロットごとにそれが適正である旨を確認するとともに、その結果に関
する記録を作成し、これを保管すること。
資材にロット番号を設定できるため、ロット単位の管理が可能です。
第99条1項五 特定細胞加工物等についてはロットごとに、資材については管理単位ごとに適正に保管し、出納を行
うとともに、その記録を作成し、これを保管すること。
保管庫を設定し、特定細胞加工物、資材の入出庫を記録できます。
第45条 第111条 法第四十五条の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一製造をした特定細胞加工物の種類
二特定細胞加工物の提供先の再生医療等提供機関の名称及び住所
三委託を受けて製造をした場合には、委託元及び委託業務の内容
四再生医療等に用いる細胞の種類
五再生医療等に用いる細胞の提供が行われた医療機関等の名称及び細胞の提供が行われた年月日
六再生医療等に用いる細胞が適切なものであることを検査等により確認した結果
七特定細胞加工物の製造の経過
八特定細胞加工物が再生医療等に用いるために適切なものであることを検査等により確認した結果
九特定細胞加工物の輸送の方法及び輸送業者
十特定細胞加工物の提供日
左記の情報は、製造指図記録書に表示する項目としてマスタ設定することで、全て製造指図記録書として自動作成されます。

多くの遵守事項が、CP1により守られることがお分かりかと存じます。特に、医療機関様では、治療も製造もやって、しかも法規制対応もとなると、どうしても抜け漏れの可能性がございます。システムの利用により、低コストで法規制対応リスクをヘッジしていただければと存じます。

ACTO2015にCP1を出展

ACTO2015(2015年アジア細胞治療学会)が、2015年8月20日から22日、韓国の光州で開催され、ローリーコンサルティングはCP1を展示いたしました。

acto2015session  acto2015exhibitors

 

アジア各国の再生医療のキーマンに製品を見ていただきましたが、検体の取り違え防止やSOP(作業指図書)の強制についての関心が高く、CP1を使って実現が可能なことをご理解いただけました。また、規制の変化への迅速な対応、多国語対応、役割ベースのアクセス制御、詳細な変更履歴の取得といった、CP1の利点についても、高くご評価いただけたかと思います。

acto2015booth